小児科の先生を目指して勉強中の医大生。
一周回って特筆する点が無い程の優等生だとよく言われる。
なにせ本当に裏が無いものだから、周りからは【優しい人】で終わりがち。
別に友達がいないわけでも無いが、それよりも血の繋がりのない親との関係の方が良好である。
強いていうならば親想いな所は「良いやつだけど歳にしては達観しすぎでは？」と思われることだろうか。

反抗期が無い人生を送ってきたため、一周回って周囲を不安にさせている。
が、本人はなんとも思っていない。
たまたま文字通りの良い子であっただけ。
普通に喧嘩をして、仲直りして、良いように使われて、にこにこしているだけ。
隠し事も何もない。変に過去に何かあったわけでもない。

「それもひとえに、露華さんがちゃんと僕のことを育ててくれたからです。」

にっこりと笑う彼は早熟だった。何もかもを理解していたから、すぐに理解して、受け入れたのだ。